Monday, February 18, 2013

EMP - LIVE-STREAMED REPORT By WND-- and in Japanese By In Deep



2013年02月12日


EMP カタストロフ: 米国の保守を代表するヘリテージ財団のメンバーが再び電磁パルスの脅威を報告



EMP-attack.jpg
▲ EMP 攻撃の様子をイラスト化したもの。Ark News より。「どのように EMP攻撃から身を守るか」ということが書かれてある英語のページです。
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今回の本記事は、米国の保守派の財団が、米国の政権に「 EMP (電磁パルス)兵器の脅威」について進言していて、そのことをご紹介します。2年以上前ですが、同じ財団の
記事を書いたことがあります。


ところで、昨日の記事は
こんな奇妙な国って他にないかも: 北朝鮮のソフィーが教えてくれた偉大なインフォメーションという、北朝鮮に行った Google の会長の娘さんのブログなどをご紹介したものでしたが、今日(2月12日)の昼前に、北朝鮮は核実験をおこなったようです。

北朝鮮で揺れ 核実験の可能性
NHK 2013.02.12
韓国の通信社「連合ニュース」は先ほど、昼前に、北朝鮮で人工的な揺れが観測されたと伝えました。韓国の大統領府や国防省は、核実験が行われた可能性があるとみて確認を急いでいます。連合ニュースは、地震の規模はマグニチュード5.1と伝えています。


核実験に関して、韓国などの報道ベースでも「
北朝鮮、核実験秒読み (東亜日報 2013.02.04)」等と言われていたので特に驚くことではないでしょうが、個人的に少し驚いた点があるとすると、マグニチュードだけを見ると、「前回の核実験の威力より十倍から数十倍大きかった可能性がある」ということです。

まあ、北朝鮮の核実験のニュースは普通にテレビなどで大きく報道されるでしょうので、特に詳しくふれるつもりはないですが、二次的な資料として関連するものを掲載しておきます。

北朝鮮の核実験は「メインの実験ではない」ような気が


上の NHK のニュースを見た後、アメリカ地質調査所( USGS )の
リアルタイム世界の地震を見ました。

下のようになっていました。

nk-nuku-01.png

赤で囲んだ部分が、該当する地震で、時間は日本時間で今日の正午少し前です。


震源地の場所は下の左側の地図の赤いところです。

nuke-map-01.jpg


北朝鮮の核実験場のある豊渓里(プンゲリ)という場所と一致しますので、核実験と考えるのが妥当なようです。ここは、ふだん自然の地震が起きる場所ではありません。

上の USGS の観測では、マグニチュードが「5.1」となっていますが、過去の北朝鮮の核実験でのマグニチュードは、おおむね、4~4.5程度でした。

核実験のマグニチュードにふれた過去記事として、かなり以前の記事ですが、


北朝鮮の核実験は白頭山の噴火のトリガーになりうるか
 
2010年10月31日


というものがあります。

これは、自由アジア放送の「
核実験が白頭山の火山噴火の引き金になる可能性は少ない」という記事を翻訳したものですが、その中に、

2009年 におこなわれた第2回核実験の地震規模はマグニチュード 4.5で、第1回目の核実験の時も同じ位の規模だった。


とあります。

今回はマグニチュードの換算で 5.1へと上がっています。

4.5から 5.1ならさほど違わないと思われるかもしれないですが、実際の自然での地震の場合ですと、確かにさほど変わらないといっていいかと思うのですが、
「人工的な揺れ」と考えますと、この差はかなりあると感じます。

マグニチュードのエネルギーの大きさは一概に比較できるものではないですが、たとえば、
Wikipedia によりますと、

地震のエネルギーが1000倍になるとマグニチュードが2増えることを意味する。逆に、マグニチュードが1大きいとエネルギーは約32倍大きい。


とあります。

つまり、細かい部分はともかく、「マグニチュードが1増えると、2倍のエネルギーになる」というものではないということです。たとえば、
マグニチュード4とマグニチュード5では 32倍のエネルギーの差があるということになりそうです。

まして、2011年の日本の東北の大地震のように、マグニチュード9などというものとなりますと、「マグニチュード7の1000倍のエネルギーの地震」ということになることになります。


今回の北朝鮮の核実験は、一概には言えないものの、以前の核実験より、破壊力の放出の点ではかなりパワーアップしたということも言えるかもしれません。

しかし、それでも、私は核実験は北朝鮮の実験目的の
メインではないと思います。

メインは、やはり長距離のミサイル実験かと。

そして、北朝鮮側の理想としては、前回のミサイル実験と同じように「
ミサイルが空中分解して失敗するミサイル実験」を目指しているかもしれません。

このあたりの意味については過去記事の、


「 EMP 攻撃シミュレーション」だったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
 
2012年04月17日


などを参考にしていただれば幸いです。

emp2012.jpg
  ▲ 上記の記事より。


また、上の記事では、1997年にアメリカ下院の「国家安全委員会」の公聴会に提出された資料からの下の文章を載せています。

電磁波兵器が北米大陸の中央部上空 50kmの高さで爆発した場合、半径 770kmに及ぶ地域が破壊される。

そして、上空 200kmの高さで爆発すれば半径 1,600 kmに至る地域が破壊され、上空 480kmの高さで爆発すれば、半径 2,360 kmに及ぶ地域が破壊されることが示された。


emp300.jpeg
▲ 1997年にアメリカ議会に出された EMP 攻撃の被害想定図。



1997年といえば、今から16年も前のことですが、その頃より米国の国家安全委員会は、この「 EMP 」というものに対して脅威をもっていたことがわかります。

そんな中、
昨日の記事でもご紹介しましたが、北朝鮮の「祖国平和統一委員会」という、つまり当局ですが、唐突に YouTube に『銀河9号に乗って』 というストーリー仕立ての動画をアップしています。

その動画は、地球の周囲の宇宙を飛び回る宇宙ロケットの中から
地球のいろいろな場所の「未来」の夢を見る北朝鮮の男性の夢の内容が描かれます。

その中には下のように、「
アメリカの都市が廃墟化しているシーン」もあります。

▲ 字幕として、「アメリカのどこかで黒煙が上がっているのが見える。おそらく強権と侵略戦争の悪の巣窟が、私のつけた火で燃えているのだろう」というようなクレジットが流れます。


この動画がアップされた日は2月3日です。

翌日の2月4日には、北朝鮮は全土に「準戦時体制」を宣言し、そして、その1週間後の今日、核実験をおこないました。

2012年4月、韓国の朝鮮日報は「
アメリカ本土を射程に収めた北朝鮮の核ミサイル (韓国語)」という記事を掲載しましたが、上の YouTube の動画の妙に生々しい表現を見ても、何らかの完成か、あるいは準備完了といったものがあるのかもしれません。


いずれにしても、今や、米国、中国、ロシアなどの大国から、北朝鮮、イラン、イスラエルなどまで、もっとも研究に力を入れていて(予算ベースでは安いので目立たない)、また「リアルな懸念」を抱いているのは、サイバー攻撃であり、そして、EMP や、
過去記事にもしたマイクロ波ミサイルというようなものも含む、インフラ破壊攻撃だと思っています。

これらは
すべて「人類文明終焉戦争」に直結するものです。
過去のドンパチ戦争とは意味合いを異にします。


ところで、最近、米国の BBS などを見ていると、
聖書の「ルカによる福音書」21章を引き合いに出す人が多くなってきました。

「ルカによる福音書」21章はこのようなことが書かれてあるものです。


21章5-6節(神殿の崩壊を予告する)

ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」

21章8--11節(終末の徴)

イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」

そして更に、言われた。

「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。」


21章25--28節(人の子が来る)

「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。

そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」



というわけで、なんだか妙に長くなってしまいましたが、北朝鮮のことを少し書きました。


ここから今回の本文ですが、一応、ここまでの話とも関係しています。

以前、

米国の保守系シンクタンクが「米国は電磁パルス攻撃で壊滅する」と報告
 
2010年11月30日

という記事を書いたことがあります。この保守系シンクタンクというのは
ヘリテージ財団というもので、Wikipedia によれば、「小さな政府、伝統的な米国の価値観、国防の強化などを掲げ、米国政府の政策決定に大きな影響力を持つ」という政策機関だそう。

上の記事から2年以上が経過しましたが、このヘリテージ財団の関係者が再び、 EMP の脅威についての発表をおこなったという記事をご紹介します。兵器だけではなく、太陽フレアによる EMP に関しても含まれているようです。

そして、わかることは、下の記事を読む限り、
米国も EMP に対してのインフラへの予防措置はあまり取っていないようです。これは意外でした。

まして、米国以外の国は「丸腰」同様だと思います。

ただ、企業レベルでは対策はある程度とっていると思いますが。
(わからないですけれど)

では、ここからです。


LIVE-STREAMED REPORT ON EMP CATASTROPHIC THREAT
WND (米国) 2013.02.05

'A Nation Forsaken' author to address topic at Heritage Foundation

WASHINGTON – Even a tinpot dictator with access to a missile and a crude nuclear device could bring the U.S. to its knees, causing a multitude of deaths and shoving the nation back into the 19th century.
The threat of an Electromagnetic Pulse, or EMP, will be the topic when “A Nation Forsaken” author F. Michael Maloof speaks Feb. 5 at noon at the Heritage Foundation in Washington, D.C.
WND-TV will live-stream his presentation on the EMP threat to the nation’s energy grid
Maloof also will address the federal government’s inaction in preparing for the threat, which could come from either a natural solar flare or an enemy’s crude nuclear device.
Maloof, a former senior security policy analyst in the Office of the Secretary of Defense and senior writer for WND, will discuss how leading scientists and other experts have warned for years that the nation’s electrical grid system and other critical infrastructures are vulnerable.
Yet, policymakers continue to delay taking preventative action against what could be the biggest threat to U.S. national and economic security in a lifetime.
In “A Nation Forsaken” Maloof breaks down the threat.
A few years ago, a congressional commission raised questions about the consequences to the nation’s electricity-dependent infrastructures. Not only would the power grid itself be threatened, but also telecommunications, the banking and finance system, the transportation system that delivers food and water and the fuel needed for homes as well as the military systems that maintain national security.
Congress, however, essentially has ignored its own commission report, wasting valuable time in confronting the threat.
Maloof will argue in his talk that while an EMP event on civilian infrastructure could be serious, it can be managed if government at the federal, state and local levels gives appropriate priority to preventative action.
The event – at the Heritage Foundation’s Lehrman Auditorium at 214 Massachusetts Avenue, N.E. – is open to the general public along with being live-streamed by WND-TV.
Maloof has almost 30 years of federal service in the U.S. Defense Department and as a specialized trainer for border guards and Special Forces in countries of the Caucasus and Central Asia.
While with the Department of Defense, Maloof was director of technology security operations. He headed a 10-person team that halted the diversion of militarily critical technologies to countries of national security and proliferation concern and sponsors of terrorism.
His office was the liaison to the intelligence and enforcement community within the secretary of defense’s office in halting transfers and using cases that developed from them as early warnings to policy-makers.
Following the Sept. 11, 2001, terrorist attack on the United States, Maloof was detailed back to report directly to the undersecretary of defense for policy to prepare analysis of worldwide terrorist networks, determine their linkages worldwide and their relationship to state sponsors.
Maloof notes that the sun is entering a period of maximum solar flares, of which several significant events already have been reported. The other threat would be from a nuclear explosion in the atmosphere over the U.S., an event experts fear even a Third World dictator might accomplish given access to a military missile and a nuclear bomb.
Here’s the documentation of the danger: “A Nation Forsaken – EMP: The Escalating Threat of an American Catastrophe.”

Members of the media who would like to interview Michael Maloof about his book “A Nation Forsaken” should contact media@wnd.com.
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EMP の壊滅的な脅威についてのヘリテージ財団の専門家の報告


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ミサイルと核の装置へのアクセス権限を持つ独裁者たちの「行動」によって、あるいは、太陽活動によって、多数の死者を生みながら米国が 19世紀の文明の時代へと戻っていくというような可能性が現在提示されている。

電磁パルス、あるいは EMP と呼ばれるこの脅威についての講演を、著作『見捨てられた国家 - 米国のカタストロフの脅威が迫る』の作者であるマイケル・マルーフ( Michael Maloof ) 氏が、ワシントン D.C. にあるヘリテージ財団の本部で 2月 5日におこなった。

米国の WND テレビでは、マルーフ氏の「 EMP による米国のエネルギー網へ与えるダメージ」についての講演をライブストリームで放映する。

講演では、太陽フレアや、敵国による核デバイスによる攻撃のいずれかによって、もたらされる可能性のある EMP の被害の脅威に対しての準備について、米国政府の対策の無策を述べている。

マルーフ氏は、長年、米国が電気網を含む重要なインフラが EMP に対して無防備であることについて警告を発し続けているが、同じ警告はアメリカ国防長官や、セキュリティ分析の専門家、また、多くの科学者たちにより警告されている。

しかし、現実では、アメリカ政府の政策立案者たちは経済問題を優先しており、国家安全保障上の最大の脅威でもあるこの EMP に対しての予防措置は先送りにされ続けている。

米国議会では数年前に、 EMP によるインフラへの影響についての問題提起がなされた。

送電網が脅かされるだけではなく、通信、銀行や金融システム、そして、水や食糧の供給が脅かされるなどの一般の家庭へも影響を及ぼす。また、軍事システムと輸送システムも同様だ。

しかし、議会は脅威の本質的な部分を見ようとはしていない。

今回講演するヘリテージ財団のマルーフ氏は、アメリカ国防総省で 30年のキャリアを持つだけではなく、コーカサス地方や中央アジアの国境警備と特殊部隊の訓練トレーナーとしても名高い。

米国防総省時代は、マルーフ氏はセキュリティ・オペレーションの監督官だった。国家の安全保障と核拡散の懸念、あるいはテロの問題といったものに対して援助国のチームを率いた。


マルーフ氏によれば、現在の EMP の脅威に関しては、まず太陽活動が最大期を迎える時期にさしかかっていることによる太陽フレアでの EMP 。そして、もうひとつは、米国本土の上空に対しておこなわれる高高度の核攻撃( EMP 攻撃)だ。

第三世界の独裁者たちによる核やミサイルなどによる脅威の実現性をマルーフ氏は懸念している。



(訳者注) このマルーフ氏の講演のほぼ1週間後の本日、北朝鮮による核実験がおこなわれました。次には「また失敗するミサイル実験」をまたやるのかどうか。あるいはマルーフ氏の言うような「本番」をも想定しているのか。

そのあたりは当人たち以外にはわからないことかもしれません。

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